ゲレンデにはいろいろな種類のアイテムがあります。
その中でもとくに目を引くのがジャンプ台です。
ジャンプを格好良く、楽しく飛べるようになるための手順を基本から紹介していきます。
ジャンプ台の基礎知識
ジャンプを飛ぶ時には、形や大きさ、しっかり整備がされているかをチェックして自分に合っているか安全に楽しめるかを見極めましょう。
ジャンプ台が大きくなれば、リスクも大きくなります。
ゲレンデにはいくつかの大ささのものが用意されているので、小さいものから余々にステップアップしていきましょう。
ジャンプ台各部分の名称
リップ
ジャンプ台の飛び出し口です。
ここでオーリーをすると高さのあるジャンプができます。
アール
空中に飛び出すために上に向かって角度がついている部分です。
角度がきついほど上に飛ぶことができます。
アプローチ
リップに向けてスピードを付ける助走バーンです。
ここでジャンプ台に合わせた進入速度を作ります。
テーブル
リップとランディングの間にある平らなところです。
テーブルの長さでジャンプの大きさが決まります。
ランディング
リップを抜けて飛んだあとに着地するバーンです。
ランディングの斜度が着地の衝撃を軽くしてくれます。
危険なジャンプ台のチェック項目
キッカーはさまざまな形があり、整備の状態でも安全性が大きく変わってきます。
安全なジャンプ台を見極めましょう。
リップがガタガタ
たくさんの人がジャンプ台を利用することでボードのエッジでリップが削られてしまった状態です。
このまま飛ぶとエッジが引っかかってしまい危険です。
ランディングが荒れている
たくさんの人がジャンプ台を利用することで、ランディング部分が荒れしまった状態です。
このままでは安全に着地ができません。
ランディングの斜度が緩い
斜度が緩いとジャンプの衝撃を逃がすことができないため、着地で衝撃がすべて体にかかってきてしまいます。
ノーオーリー
初めてジャンプを飛ぶ時は小さいサイズを選び、基本姿勢のまま踏み切らずに飛び出す「ノーオーリー」で飛んでみましょう。
飛ぶラインをしっかりイメージして少しずつレベルアップしていくことが大切です。
ノーオーリーは、上達したあとも初めて飛ぶジャンプ台の距離を測ったり、ジャンプ台の形を判断するために必要なテクニックといえるでしょう。
ノーオーリーの手順
基本姿勢をとった状態で進行方向に目線を送り、ボードをまっすぐにしてリップへ進みます。
リップのアールに合わせてボードが飛び出していくので無理にジャンプしたりせず、リップを抜けるまで体勢を変えずに待ちましょう。
リップを抜けたら、肩のラインを水平にし、着地地点へ目線を送ります。
ボードが落ち始めたら、ランディングの斜度に合わせて体を小さくして着地の準備をします。
着地では足首、ヒザ股関節を使って衝撃を吸収し、そのまますべりましょう。
ポイント1
リップでボードをフラットに保つため、スピード調節やライン取りのエッジコントロールはアプローチに入る手前までにしましょう。
エッジに乗ったままリップを抜けると空中でバランスを崩してしまいます。
ポイント2
ボードがリップを抜けてから着地するまで、基本姿勢のまま体をできるだけコンパクトにキープしましょう。
リップでは踏み切らずにジャンプ台の形に添って飛ぶイメージで行なってください。
オーリー
ジャンプ台でまっすぐ、高く飛ぶためのテクニックがオーリーです。
いろいろなジャンプトリックにチャレンジするために確実にマスターしておきたいテクニックです。
このジャンプの基本となるオーリーができていないと簡単なトリックもかっこよく決まらないばかりか、無理に高くとぼうとしたり、スピンしようとしたりすることでケガにつながってしまいます。
ポイントをしっかり理解して練習しましょう。
オーリーの手順
基本姿勢で腰を落とし、しっかりとヒザにタメを作ります。
ボードをフラットにしてまっすぐ進み、テールがリップに来たら後ろ足で踏み切ります。
リップを抜けたら両足を引きつけながら、ボードをフラットに保ちましょう。
着地点に目線を送りながらエアの軌道が下がっていくのを待ちましょう。
両足で着地をし、衝撃を吸収します。
ポイント1
ツマ先側やカカト側のエッジに荷重がかからないよう、基本姿勢をキープしながらボードをフラットに踏む意識をもちましょう。
ポイント2
ノーオーリーのエアよりもしっかりと重心を落とし、オーリーでタメを一気に解放すると高いエアになります。
高さが出ると空中に余裕が出るので、スタイリッシュなエアが可能になります。
グラブ
オーリーをするジャンプができるようになったら、次はグラブに挑戦してみましょう。
グラブにはとてもたくさんの種類がありますが、後ろの手でツマ先側の足の間をつかむインディグラブと前の手でツマ先側の足の間をつかむミュートグラブの2トリックを紹介していきます。
どちらのグラブも安定したストレートエアが基本となってくるのでしっかり意識して行ないましょう。
インディーグラブ
ボードをフラットにし、低い姿勢でアプローチします。
ボードの中心にリップが来るまで待ちます。
低い姿勢からしっかりオーリーをして空中へ飛び出します。
空中では胸にヒザを近づけるようにボードを引きつけます。
ボードを引きつけたら後ろの手でツマ先側の足の間をつかみます。
前の手を後ろに引いて頭が下がるのを防ぎます。
目線を着地点へ向け、ボードが落ち始めるのを待ちます。
着地点に近づいたら、手を離し、ボードを斜度に合わせます。
体勢を安定させてしっかりと両足で着地します。
ヒザや足首を使って衝撃を吸収しましょう。
ポイント
グラブを意識し過ぎると体が傾き、空中でのバランスが崩れるので、足がしっかり引きつけられるまでは手を伸ばさないようにしましょう。
ピークから着地の間に少しボードをつかむ程度のイメージで行なうといいでしょう。
ミュートグラブ
ボードをフラットにし、低い姿勢でアプローチします。
ボードの中心にリップが来るまで待ちます。
低い姿勢からオーリーをかけて空中へ飛び出します。
空中ではヒザを胸に近づけるようにボードを引きつけましょう。
ボードを引きつけたら前の手でツマ先側の足の間をつかみましょう。
後ろの手を背中側に引いて頭が下がりすぎるのを防ぎます。
目線は着地地点へ向けてボードが降下するのを待ちます。
着地に近づいたらグラブの手を離し、ボードを斜度に合わせます。
体勢を安定させて両足で着地します。
両足で衝撃を吸収してボードの中心に重心を戻します。
ポイント
前の手でツマ先側のボードをつかむ時に、頭が下がって前傾にならないように注意しましょう。
体を引っ張り起こすように後ろの手を背中側に伸ばすと頭が下がるのを防いでくれます。
180(ワンエイティ)
安定したジャンプやグラブができたらスピントリックの基本、180にチャレンジしてみましょう。
前肩を背中側に開いて回るのがフロントサイドスピン、前肩をお腹側に閉じる方向に回っていくのがバックサイドスピンです。
グラトリの180 よりも進入スピードが早く、リップがあるため、少しの先行動作で180度回転します。
リップを抜ける前に無理に回さないようにしましょう。
フロントサイド180(ワンエイティ)
ボードの中心にリップが来るまで待ちます。
両腕を使って体を引き上げ、後ろ足で踏み切ります。
胸を正面に向け、上半身で回転を先行します。
空中で下半身をしっかり引きつけます。
上半身の回転に合わせてボードを回します。
目線を着地点に向け着地の準備をします。
ランディングの斜度に合わせて、しっかりと両足で着地しましょう。
両足で衝撃を吸収するように着地しましょう。
ポイント
オーリーの前にボードをずらしてしまうと、回転しすぎたり、スピードが落ちる原因になってしまいます。
リップを抜けるまではボードをまっすぐにしたままアプローチし、上半身で回転を先行しましょう。
バックサイド180(ワンエイティ)
ボードのまん中にリップが来るまで低い姿勢で待ちます。
体を両腕で引き上げ、後ろ足で踏み切ります。
空中に飛び出すと同時に、前肩を閉じ、上半身をひねります。
上半身をアプローチ方向に向けるように回し、回転を先行します。
ピークまでにボードを90度回したら、そのままボードを引きつけます。
上半身で先行ができていれば、残りの回転は着地までに回っていきます。
着地点を確認したらボードを斜度に合わてランディングします。
ヒザや足首を柔らかく使い衝撃を吸収しましょう。
ポイント
オーリーをする瞬間は、上半身が猫背や後傾にならないよう注意しながら両腕で体を引き上げ、重心をボードの中心に置きましょう。
空中では着地点が見えづらいので、軸がずれてしまわないように真上にジャンプする意識をもちましょう。
360(スリーシックスティ)
進行方向に対して前肩を背中側に開いて回るのがフロントサイド360、肩をお腹側に閉じる方向に回るのがバックサイド360です。
横に1回転する360は回転の朝を安定させることと先行動作をスムーズに行なうことが重要です。
高回転へ向けてステップアップするために必ずマスターしたいトリックです。
360を身につけて少しずつ回転数を増やしていきましょう。
フロントサイド360(スリーシックスティ)
カカト側に荷重をかけて、ボードの中心がリップの先端を出るまで待ちます。
オーリーと同時に胸から空中に飛ぶように両腕で上半身を引き上げます。
空中のピーク前までに肩を180度回し込みます。
胸にヒザを引きつける意識をすると上半身に合わせてボードが回転し始めます。
残りの180度も上半身の先行に合わせボードを回転させましょう。
180度回転すると着地点を確認できるので目線を送ります。
ランディングの斜度に合わせ両足でしっかりと着地しましょう。
重心をボードの中心に乗せたら、そのまますべりましょう。
ポイント
肩のラインが水平に保たれているとスピンの軸が安定してキレイな回転になります。
軸が安定していないスピンは力が逃げてしまい、回転が足りなくなることもあります。
軸を意識して練習しましょう。
バックサイド360(スリーシックスティ)
ツマ先側に荷重をかけ、ボードの中心にリップが来るのを待ちます。
リップを振り返るように上半身でスピンを先行し、後ろ足で踏み切ります。
空中では回転方向に目線を送りながら両足を引きつけます。
ピークまでにボードを180度回転させます。
180度回ったところで着地点が見えてくるので目線を向けます。
残りの180度は上半身の回転に合わせるようにボードを回転させます。
着地の斜度にボードを合わせ両足で着地します。
両足のヒザ、足首で衝撃を吸収し、重心をボードの中心に戻します。
ポイント
後ろ腕を背中側に引いて回転を先行します。
背中側に引くことにより、背筋が伸びてスピンの軸が安定します。
ツマ先側に乗りすぎて頭が下がってしまうことも防いでくれます。
バックフリップ
バックフリップはジャンプ台にまっすぐアプローチし、前に飛び出しながら後方宙返りのように縦に1回転するトリックです。
一時的に頭が真下になるので、着地点が柔らかいパウダー(新雪)やマットがある場所など、安全にできる条件がそろった時に練習するようにしましょう。
思い切り踏み切って、ボードが振り降りてくるのを待つのが成功するためのポイントです。
バックフリップの手順
ボードをフラットにし、少し前気味に重心を乗せます。
リップを抜ける瞬間に、テールプレスをした状態よりさらに重心を後ろに乗せた状態にし、後ろに倒れるように思い切り踏み切ります。
途中で首をすくめたり力を入れたりすると回転が止まってしまい危険です。
空中では回転に逆らわず着地点が見えてくるまで待ちましょう。
着地点が確認できたらボードを引きつけて小さくなったまま着地を待ちます。
両足で衝撃を吸収したらバランスをとってすべりましょう。
ポイント1
基本姿勢の時より少し前に重心を置き、リップを飛び出す瞬間に重心を前から一気に後方へ倒しましょう。
あとは、ボードを引きつけて小さな体勢になったままボードが回転するのを待ちましょう。
ポイント2
回転中にボードを引きつけるためにグラブをするとラクに足を引きつけることができます。
ボードをつかんだら着地点が見えてくるまで引きつけたままにしておきましょう。
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